森の学校を創る

​-震災復興から発する教育の未来-

The future education emerging from the eathquake reconstruction

​(編著)風見正三

震災後の学校再建モデルの一例としてまとめるとともに、復興過程における地域や多様なステークホルダーとの協働のプロセスをはじめ、震災復興における希望のシンボルともなった「森の学校」がいかに創られてきたのか、コンセプトや計画・デザイン手法等、そ
の構想・計画・デザインのプロセス及びノウハウについてまとめられています。

出版によせて

21世紀は、地球環境の時代であり、東日本大震災に直面した東北がこれからどのような再生や発展を遂げていくのかは、日本のみならず、世界の共通課題となっている。「森の学校:東松島市立宮野森小学校」は世界からその動向が注目され、震災後の日本の教育の大きな指針を示すことになった。現在、宮野森小学校では、約120人の子どもたちが学び、不登校率や残食率も低く、子どもたちの元気な声が聞こえてくるようになった。寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉を残したが、現在、日本や世界は社会的・経済的・環境的に大きな転換点にきている。

 

東日本大震災は多くの犠牲を払うことになったが、この歴史的な大災害の教訓を次世代の子どもたちに確実に継承し、持続可能な社会を「我ら共通の未来(Our Common Future)」として実現するために、あらゆる国や機関が連携していかねばならない。「森の学校」の挑戦は、そこにつながる地域主体の持続可能な未来の創造プロセスであり、世界をより良いものに変えていく基盤となることが期待される。

 

震災から9年を迎えた今日、震災直後から被災地の復興に携わってきた専門家として、被災地の希望を可視化する復興のシンボルとなる学校を生み出せたことは望外の喜びである。持続可能な未来は自らの手でつくり上げるものであり、その基盤は常に「教育現場」にあり、21世紀がこうした自然と共に歩む子どもたちによって幸福で持続可能な社会となっていくことを祈りつつ、本書を、大震災を共に乗り越えてきた被災地の子どもたちや同志、そして、未来を生きる地球の子どもたちに捧げたい。

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